富山の出版社 本づくりなら 桂書房

富山の小さな出版社「桂書房」。富山での自費出版、本づくりならお任せください。

勝山敏一による随筆集です。桂通信図書目録の冒頭に収録されています。

No.34 9・11、臨界を超えたのはいったい誰?

「弧を描きながらビルに突っ込んでいく飛行機の姿は美しかった…」 9・11のあの光景をテレビで見た美術家たちの感慨である。 「乗客たちがいるのに、 なんで!」 僕が反論すると彼らはちょっと怯んだけど、 自分に正直なようだっ…

No.33 もっと多くの《目前》は見えないか…

「あっ、 カルガモの親子!」 桂書房の前の道をゾロゾロ、 七羽のヒナを連れて隣家の庭へ。 そして塀の下の排水路へと落ちた。 彼らの池からは五百メートル、 しかも込み入った住宅地の中。 自力で帰れると思えないし、 辺りは野…

No.32 人の心の動きようは百年たっても…

「感化院の出身なの?」 友人に真面目な顔で問われた。 年賀状に《私もとうとう執筆側に回ってしまいました。 『感化院の記憶』 という本を出します》と書いたからだ。《いや! 違うよ》一瞬、 その率直さに吹き出しそうになったが…

No.31 かけがえのないものを失って

小社の 『記憶』 シリーズは7冊となった。 『村の記憶』 を出す時に《廃村》という語では村の人々を悲しませてしまうというので《記憶》という語を使用したのが切っ掛けだが、 元住人の方々からご注文をいただきながら思ったことが…