富山県立図書館のカウンター付近に掲げられていた 「図書館の自由宣言」 板が、 いつの間にか外されていた。 三カ条で 「すべての検閲に反対する」 という項も記されていた。 昨年10月頃から同図書館は、 未曾有の事態を起こし…
9時間半という超長編映画 『ショアー』 を友人たちと自主上映して観た。 生き残りのユダヤ人、 ナチスのSS隊員や行政官たち、 そして傍観者だったポーランドの農民たち―大きく分けて三者の証言を紬のように織り重ねて、 500…
2月の東京、 冬の幕張で 「地方・小出版流通センター」 の20周年パーティーがあり、 私も祝賀に駆けつけた。 地方の本を全国の読者へ書店通しの流通を可能にしてくれた流通センター。 小さい出版社に大きな夢を抱かせてくれた功…
6月22日 遠来の客あり。 秋田の出版社無明舎の代表、 阿倍甲さんが 「突然、 思い立って」 東京経由でわざわざ小社に寄られた。 同じ地方出版社とはいっても、 小社とは比較にならない優良企業 (?) で、 氏自身も次々と…
たかだか40年ほど前、 小百姓の倅で母子家庭の小学生だった頃を私はすっかり忘れていた。 『近代下層社会の研究』 のゲラを読んでいて、 あの貧乏の感触を急速に思い出した。 学校のたった10円の集金袋を母に差し出せないことが…