富山の出版社 本づくりなら 桂書房

富山の小さな出版社「桂書房」。富山での自費出版、本づくりならお任せください。

勝山敏一による随筆集です。桂通信図書目録の冒頭に収録されています。

No.69 ただいま下値なる米をあい調え、

 見出しは一七一〇年十一月、越中の滑川浦役人が上司に出した願書の一節。日用人たちの飯米を今の安値のうちに購入して高値時に困らないよう管理したいという。彼らは蔵から移出船の待つ砂浜まで米俵(七五キロ)を担ぐ日雇い仲仕たちで…

No.68 皆でオシッコ飛ばし、しよう!

 小社から上野千鶴子・山内マリコ共著『地方女子たちの選択』を出した。著者お二人に、女性と消滅可能性都市について本をお願いしたところ、行く末を担う当の地方女子の声を聞こうというご提案。富山県在住の女性14名にライフ・ヒスト…

No.67 ずるい!みんな頑張ってるのに!

 祖父母の家に遊びに来た小さな甥や姪に、オトナなのに必ず居てだらだらと過ごしている鍋島綾さん(38歳)はよく言われた。「私もそう思う」と肩をすくめてきた彼女。「ゆるい人間」と見えようが、やりたくないことはしないと決めれば…

No.66 腰巻かぶりッ!

 五十年ほど前の話。母が、晩飯の用意もなく、遅く帰宅した嫁に腹を立て「今までいったい何をしていた」と責めていた。そこへ私が帰宅。保育士の彼女はその日、園で臨時の職員会議があったという。母は紡績会社の二交代勤務の半日を田圃…

No.65 くやしい一心で眼もまハさず

 私は落涙を禁じ得なかった。加賀金沢に生れ、親と江戸に出て巣鴨に暮らし、十三歳で十五年季の遊女に売られたカメが、年季明け一年前になって朋輩十六人と示し合わせその遊女屋に放火、自首するという嘉永二年(一八四九)一件について…