富山の出版社 本づくりなら 桂書房

富山の小さな出版社「桂書房」。富山での自費出版、本づくりならお任せください。

勝山敏一による随筆集です。桂通信図書目録の冒頭に収録されています。

No.51 悲しみはけっして人に見せまい

八三歳の酒井キミ子さんの絵文集『戦争していた国のおらが里』には、克明な二八〇枚の「農」の絵が載る。全国紙は世界記憶遺産に指定された筑豊炭坑の絵のようだと紹介した。絵につくコメントも、ああ、そうであったと感嘆するのが多い。…

No.50 お昼にしようけ

大干ばつに襲われたアフガンの人々がある日、村を捨て食を求めて徘徊を始めるのを目撃された医師の中村哲さんの言葉「飢えた人は寡黙だけれど、決して絶望的な眼はしていない」。 飢え人が都市へ向かって徘徊するのは、江戸期の富山町で…

No.49 大事なのは言葉なんかじゃない

大津波の引いた一望の荒野をテレビ画面に見つめたあと、ゆくりなく浮かんで胸に結ばれたのが見出しの語。 「この世で大事なのは言葉なんかじゃない。その言葉をいわせるものよ。太陽の光り、土のにおい、風の音、すばらしいわ」と続く、…

No.48 施しはいらない、安米が欲しいだけ

米騒動に関する本を2冊出す。大正7年(1918)富山県米騒動の最初期を多数の聞き書きで再構成する『水橋町の米騒動』(井本 三夫)と、富山・新潟を江戸期まで遡る拙者『女一揆の誕生』。2冊とも、値が高騰して米が買えなくなった…

No.47 喰わずに死ぬか、殺されて死ぬか

明治二十三年、(一八九〇)四月十七日、富山県境に近い、新潟県の能生町で一揆を起こした女房たちが叫んだ語。米価が高騰、小売りをしてくれなくなった米屋を襲って彼女らが、いざうち壊さんと空いたお腹の底をしぼり上げて叫んだもので…