富山の出版社 本づくりなら 桂書房

富山の小さな出版社「桂書房」。富山での自費出版、本づくりならお任せください。

勝山敏一による随筆集です。桂通信図書目録の冒頭に収録されています。

No.49 大事なのは言葉なんかじゃない

大津波の引いた一望の荒野をテレビ画面に見つめたあと、ゆくりなく浮かんで胸に結ばれたのが見出しの語。 「この世で大事なのは言葉なんかじゃない。その言葉をいわせるものよ。太陽の光り、土のにおい、風の音、すばらしいわ」と続く、…

No.48 施しはいらない、安米が欲しいだけ

米騒動に関する本を2冊出す。大正7年(1918)富山県米騒動の最初期を多数の聞き書きで再構成する『水橋町の米騒動』(井本 三夫)と、富山・新潟を江戸期まで遡る拙者『女一揆の誕生』。2冊とも、値が高騰して米が買えなくなった…

No.47 喰わずに死ぬか、殺されて死ぬか

明治二十三年、(一八九〇)四月十七日、富山県境に近い、新潟県の能生町で一揆を起こした女房たちが叫んだ語。米価が高騰、小売りをしてくれなくなった米屋を襲って彼女らが、いざうち壊さんと空いたお腹の底をしぼり上げて叫んだもので…

No.46 「今夜は男の一揆が起こる」

大正七年(一九一八)八月七日の高岡新報は、富山県水橋町で起きた女一揆を受け、隣の滑川町でも昨夕八時ごろ「老若男女」二千名の大集団が米屋の前に集結し「生活難を絶叫」したと伝えた。全国に米騒動の起きるきっかけになったといわれ…